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春風がサラサラと











教室の隅から隅まで悪戯に吹いてる

















「1年生ちゃん?」













早く来すぎてしまった 入学3日目











たまたま入口で出会った ハーフ顔の先輩











『あっ…と…そうですね、1年生です。』













「あはは(笑)可愛いね、知ってるよ?


昨日の入学生代表、上手だった。」















素直に目を見て褒められると 目を逸らしたくなる













『恥ずかしいです…』










「ん、やっぱ可愛い。」













事あるごとに可愛いという先輩は











一体誰なのかさっぱり分からない。










「良かったら、4年の教室来ない?」











そう、この時、行かなきゃよかったの。












『え、、っと。4年生ですか?』










「そ、4年生。行こっか」













そのまま背中を押されながら、











4年生専用になっている別階段から上がっていく














「あ、灯りついてないし誰もいないかも」











先輩の落ち着いた声が ストンと胸に落ちる



















「んんっ…けんちゃ…だめって…」













絶対に聞いちゃいけない














ガラス越しに見えそうになるふたりの男女














その瞬間、視界が一瞬で暗くなった












「しっ…見ちゃダメだよ…」














バレないように耳元で囁く声が私の鼓動をどんどん加速させる














その瞬間唇に触れた感触














「柔らか」














さっきの無邪気な笑顔とは変わって















少し不敵な笑みを浮かべそういった













「あいつら居たし、階段にしよっかぁ」













そう言われどこか全くわからない階段を登らされる













「ここでいいか。」















人気が一切ないこの階段













「ねぇ教えてよ、美冬ちゃん?」






















言って無いはずの名前がバレている












『誰…』











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