日だまりの雨

「日咲が同情でも俺を受け入れてくれたとき、必ずすぐに離れようって決めてた」




わたしの頬に触れた雨音の両手はひんやりしていて、
くっついたおでこからの温もりと対照的だった。




「俺は……この間の図書館の時みたいに……不意に昔を思い出しては不安定になって、逃げ出してしまう」




雨音の瞳が静かに閉ざされた。
綺麗に伸びた睫をじっと見つめ、言葉を待つ。




「あの時、日咲がここまで来てくれたことが嬉しかった。……必ず離すって決めてた日咲の手が、離せなくなりそうなくらい……」




絞り出すような雨音の声と同時に、わたしは雨音にキツく抱き寄せられてしまう。




「忘れるって決めたのに……日咲の温もり。また、こうやって望んでしまう……」




雨音の胸に顔を埋めながら、わたしは必死に服を握り締めた。



だって、



「だから……」




案の定、雨音はすぐさまわたしを離そうとしたから。




そんなの絶対認めない。



「……っ!」




雨音が続けようとした言葉を唇で遮った。