その日は珍しく曇り空で、蔵の中はいつも以上に薄暗かった。
それでも、茜が現れれば空すら晴れてしまうんじゃないかって……そんな風に思ってた。
それだけ俺の中での茜の存在は大きく、温かかくて明るかった。
まるで……空一面に広がる茜空のように。
その日蔵の扉が開いたのは今までと同じ時間で、扉の前には祖母が立っていた。
「……茜は?」
待ち焦がれていた茜が居ないことで、思わず口をついて出た第一声。
それを聞いた祖母の顔が、一気に曇っていく。
言い淀む口元から、
「今朝、茜くんのお母さん……亡くなったの」
零れ落ちた言葉に、思考はついていかなかった。
「それで、すぐにお家に戻ったの。今日」
祖母の続ける言葉が耳に入って来ない。
二人で探した四つ葉のクローバーが見つかっていたなら……こんな結末は迎えなかったの……?
「雨音っ!?」
祖母の隣を横切り、蔵を飛び出した俺は夢中で走っていた。
目指す場所は一つ。
茜と過ごした野原だ。
それでも、茜が現れれば空すら晴れてしまうんじゃないかって……そんな風に思ってた。
それだけ俺の中での茜の存在は大きく、温かかくて明るかった。
まるで……空一面に広がる茜空のように。
その日蔵の扉が開いたのは今までと同じ時間で、扉の前には祖母が立っていた。
「……茜は?」
待ち焦がれていた茜が居ないことで、思わず口をついて出た第一声。
それを聞いた祖母の顔が、一気に曇っていく。
言い淀む口元から、
「今朝、茜くんのお母さん……亡くなったの」
零れ落ちた言葉に、思考はついていかなかった。
「それで、すぐにお家に戻ったの。今日」
祖母の続ける言葉が耳に入って来ない。
二人で探した四つ葉のクローバーが見つかっていたなら……こんな結末は迎えなかったの……?
「雨音っ!?」
祖母の隣を横切り、蔵を飛び出した俺は夢中で走っていた。
目指す場所は一つ。
茜と過ごした野原だ。

