初めて俺を呼んだ茜の顔は満面の笑顔で、俺の気持ちはやたらに弾んだ。




それからは二人で地面とにらめっこするのが日課になった。




母さんが早く良くなって、家に戻れますように……。




まだ見ぬ四つ葉のクローバーに込める同じ願い……。






俺が茜と会ってる間、空っぽの蔵は祖母が祖父を近付け無いよう配慮してくれていた。




もしかしたら、祖父は気付いて見て見ぬふりをしていてくれたのかもしれない。




茜に出逢ってから俯いていた視界はぐっと広がり、俺の世界は明るくなっていた。




祖父が求めていたのは、そんな俺の顔付きだったのかもしれない……。