「人間嫌いになるのもしょうがないと思ってる。
逆に、人間嫌いになったからこそ、ここまで強く生きて来れたんだと思う。
子供の時から、いつも後ろに十字架を背負ってる気分だった。
自分は全く悪い事はしてないのに、でも、世間の目は悪い子供っていう目で見る。
怖くて人を信用できない。
だって、仲良くなった友達がいつの間にか俺から離れていく恐怖は、今でも俺の胸の底に残ってるから」
ミンジュンはお酒が回っているせいか、ポロポロと涙が溢れ出す。
毎日、歯を食いしばっていた子供の頃の記憶は、確実に俺の中でトラウマになっている。
そんな俺を、詠美はまた抱きしめた。
自分もポロポロと涙を流し、それでも優しく抱きしめて俺を離さない。
「でも、ミンジュンさんには、何があっても守ってくれる強くて優しいお母さんがいた。
ミンジュンさん…
お母さんがいるってだけで、本当は誰よりも幸せ者なんだよ。
子供って、この世界にお母さんだけがいてくれればいいの…
お父さんも兄弟も大好きだけど、でも、たった一人、お母さんがいてくれればいい。
もし辛い事がたくさんあったとしても、ミンジュンさんにはそれ以上に優しい愛で包み込んでくれるお母さんがいた。
全然不幸じゃないよ…」
ミンジュンはそんな風に考えた事はなかった。
確かに、母親の存在は俺の生きる理由で、癒しでもあったけど。
でも、ミンジュンはポロポロ涙を流す詠美が気になった。



