ミンジュンが私を溺愛すぎる件




詠美は何故?とかどうして?とかは聞かない。
小さい時のトラウマは、他人が無理やり聞き出すものではないと分かっているから。

しばらく詠美の胸に顔をうずめていたミンジュンは、体を起こし詠美を穏やかな眼差しで見た。


「俺は、私生児として育ったんだ…」


「私生児…?」


聞き慣れない言葉に、詠美はつい聞いてしまう。


「父親がいない子供…
正確に言うと、生まれた時から父親が誰か分からない子供。
母親は分かってるんだろうけど、事情があってそれは言えないし死ぬまで言わない。

韓国は儒教の国だから、認められずに生まれてきた子に世間は恐ろしく冷たいんだ。

ま、俺は、母親が強い人で全ての愛情を注いで育ててくれたから、なんとかこの歳まで生きてこれたけど、普通の弱い人間だったら、どっかで死んでるだろうな。

それくらい偏見といじめの中で育ってきた」


ミンジュンはこんな暗い自分の過去を話している自分が信じられなかった。
絶対に伏せていたい、知られたくないと、そう思いながら生きてきたから。
でも、ミンジュンは、詠美に聞いてほしかった。

それが何でかって言われてもさっぱり分からない。
俺の本能がきっとそうさせている…