ミンジュンが私を溺愛すぎる件




その日の東京は、朝から天気が悪かった。
雨は小降りだが風が強い。

詠美は久しぶりに着るリクルートスーツに身を包み、派遣会社担当者の鈴木さんの待つ羽田空港へ急いで向かった。

国際線の入口に着くと、鈴木さんがすぐ見えた。
詠美を見つけると笑顔で手を振ってくれた。


「飛行機は大丈夫そうですか?」


詠美がそう聞くと、鈴木さんはすぐに詠美を空港の中の人目のつかない場所へ連れて行く。


「思ってたより到着ロビーに人が多くて困ってる。

その人はSPに囲まれて一番最後に降りてくる予定だから、そこの入口の前に車を付けてその車に急いで乗ってもらう。

僕の仕事はそこまでだから。
あとはこの間渡したスケジュールを見て、森さんがひと時も離れずにその人の様子を見る事」


詠美はこの大掛かりな出迎えに驚きを隠せない。