ミンジュンが私を溺愛すぎる件




詠美はミンジュンが帰ってくるまでの間、少しだけ外へ散歩に出た。
12月に入ったばかりの東京はとても肌寒く、店や街並みはクリスマスの飾り付けで溢れている。

詠美はそんな夕方の東京の街を堪能した。
30年以上前に、ミンジュンのお母さんとお父さんが出会ったのもこの東京の街だったなんて…

詠美はテヒから聞いた話を思い出しながら、自分達の今に照らし合わせる。

比べものにならない…
ミンジュンのお母さんとお父さんの恋は、悲しいほどに切な過ぎた。

でも、そんな悲し過ぎる命がけの恋を、一切誰にも話したがらなかった大切な思い出を、テヒは私にだけ話してくれた。
だから、詠美はその意味だけを考える事にした。

その意味だけを考えれば、少しは前へ進める気がするから…



ミンジュンは詠美に帰る事を告げるためにスマホにメッセージを送ったが、時間が経っても何も返信がない。

ミンジュンは、返信がないという事実に血の気が引くのが分かった。
オンマと何かあったのか…?


「どうした? 真っ青な顔をして」


仕事を終えホテルへ向かう車の中で、ジノはミンジュンにそう聞いた。
スマホをいじり始めてからのミンジュンの様子が明らかにおかしい。