テヒは詠美をずっと見つめている。
詠美の品定めを終え、今度は信頼度を天秤で測るように。
「詠美…
私もミンジュンと同じ。
本当に心から愛した人は、たった一人しかいない」
詠美のピンとした顔を見て、テヒは優しく頷いた。
「そう、ミンジュンの父親…」
詠美は目を大きく見開き口に手を当てた。
「え? でも、ミンジュンさんは何も知らない…」
「あの子は絶対に聞いてこないもの。
ミンジュンが大人になって人を愛する人間になったらって思っていたけど、でもそうなっても、あの子は絶対に聞いてこない。
あの子にとっては、絶対に開いちゃいけないパンドラの箱なの。
あの子が聞きたくないのなら、私から話す事は絶対にないわ」
テヒは意地悪そうに詠美を見る。
詠美のパニック感が見ていて可笑しかった。
「私が聞いていいのでしょうか…?」
詠美は小さな声でそう聞いた。
「この先、ミンジュンとあなたが上手くいこうがいくまいが、私は話したい。
ごめんね… 後の事は詠美に任せるから」
え~~~
そんな、困ります~~
テヒは前に出された煎餅を一口食べた。
小さな声で美味しいと言い、静かにため息をつく。



