「う~~ん、日本を感じれるとは思うけど、一番ではない気がする」
ミンジュンは笑った。
「地元の人間はそう言うんだよ」
詠美もクスッと笑った。
浅草は見学する場所も美味しい食べ物屋もいっぱいある。
でも、それは、詠美にとっては日常の風景だ。
「ねえ、詠美のその煎餅屋にも行ってみたい。
そんな老舗を守ってるって、詠美の家って凄いんだな」
詠美は苦笑いをした。
ミンジュンはきっとこう言うだろうと分かってたから。
「ミンジュンさん、明日、ちょっと実家に帰ってもいい?」
ミンジュンは目をパチクリして詠美を見た。
一分でも一秒でも離れていたくないと、その目は訴えている。
「明日、帰って、お父さん達に事情を話してくる。
ミンジュンさんは引退したつもりでいるけど、まだ日本人の特に韓流好きな人達は絶対にミンジュンさんを忘れてないし、韓流好きじゃない人もミンジュンさんを見れば皆立ち止まる。
私の実家を訪れるのならそれなりに準備が必要だと思うし、その前にミンジュンさんをいきなり連れて行って皆が卒倒しないように、事前に話しておかなきゃ」
ミンジュンは静かに頷いた。
「でも、詠美、家族には俺の事は何て説明するんだ?」



