「志望校は?決めたか?」 ボールと同時に、木岡先生は私に質問を投げた。 「決まりましたよ。K校にしました」 私も答えると同時に、ボールを投げた。 しかし、木岡先生は答えを聞くと投げるのをやめた。 「K校?あれ、T校は??」 「いや、なんか、…偏差値的に無理かなって」 私は左手にはめていた、木岡先生に借りたグローブの紐を触りながら、もじもじと話した。