電車が通り過ぎるまで

そこには、
木箱を大事そうに抱えた、
彼女、秋野叶笑がいた。
叶笑と里美の、目があった。
だけどすぐに、
電車が目の前をさえぎる。
電車が通りすぎたかと思うと、
叶笑は、走り出してしまった。
「なにか、誤解がある。
早く追いかけ...」
「まって、叶笑さん!」