電車が通り過ぎるまで

そう、ぶつくさ言う明美を、
仁也は、
苦笑いでごまかした。
だって、仕方ないと思った。
記憶がなくなっていることなんて、
知らなかったのだから...
だからあのとき、
助けてもらったとき、
久しぶりにあえて、
とても嬉しかったのか。