電車が通り過ぎるまで

カンカンカン
また、遮断機が音をたてた。
もう、彼は乗っていないとわかっている。
だけど、もしかしたら...!
最後の望みをかけて、
顔をあげる。
「あっ...!」
ふと、声が漏れた。
遮断機の向かい側にも、
声が届いた。