「ねぇ、あなたの知っている私は、
いったい誰なの?」
ユラユラと立ち上がり、
『前の私』の写真たてに近づく。
唯一の写真。
いつもの場所で私が、
幸せそうに笑っている。
きっと、『前の私』にとって、
とても大切な人が、
この写真を撮ってくれていたのだろう。
こんな風に笑っている私は、
自分でも始めた見た。
だけど...