「あの...?」
しばらくボーッとしていた私は、
爽やかな風が吹き、
ふと、現実に戻った。
私は慌てて、彼に鞄を渡す。
ありがとうございます、
そういって、
優しい笑顔を見せる。
(あっ!)
この制服、この笑顔。
この人は、私のバイト先の
『かしわ書店』の常連だ。