心の鎮痛剤を下さい-夜間生涯学習の先生-(実話)

「言えないなら、帰るよ」


このまま帰っちゃうなんて嫌だよ…


お願い
離れて行かないで。




掴んだスーツのすそを見つめながら、小さな声で言った。

「…して…ください」


怖々と顔を上げると
先生は私の頭を撫でた。


「梨華は本当に可愛いね」


その笑顔はとても冷たく感じられ
胸が締め付けられる思いだった。