心の鎮痛剤を下さい-夜間生涯学習の先生-(実話)

車のカギを手にした時
ナッチが心配そうな顔をした。

「梨華、大丈夫?なんか疲れてるみたいだけど…?
好きな人に会いにいくのに嬉しそうな顔してないし」


「そうかなぁ…?」

やっぱりナッチはするどい
私は先生の強引さに少し疲れていた。


「でも羨ましいよ、昔と変わらず真っ直ぐに好きになれるなんて。
私は少し恋愛が面倒になったり、全て相手に合わせる事はできなくなってきてるから」


違うよナッチ、それはね

「私は成長してないだけだよ、あの頃のまま止まってるんだよ」

「ううん、梨華の魅力の一つだと思うよ、先生もそういう所に惚れたのかな」

「だったら、いいな」



ナッチに見送られて先生の元へ急いだ。