海風が少し冷たい


「寒い?」

先生は上着をかけてくれた

優しさが嬉しくて、私は腕をからめた。


「り、梨華…?」

「ん?」


「さっきから胸があたってるんだけど…」

「あっ!ほんとだ!ごめんなさい!」
手をつなぐ事にした。


「俺はいいんだけど…」
困ったように笑う先生。




真っ暗な中で、波の音だけが響いた。

ここでは星も輝いて見える。