「そろそろ夏も近づいてきたから、まだ早いが熱中症に気をつけるようにな。」 先生の野太い声が教室に響く。 「えー、じゃあ、HRを始めまーす。」 「起立!」 「よろしくお願いします。」 夏かあ… わたしは椅子を引いて腰を下ろすと、去年の夏の自分を思い浮かべる。 家族と潤くんと五人で花火大会に行ったっけ。 あとはずっと塾行ったりなんだりして特に何もなく終わったような気がする。 今年は… ちらっと一番前の席に座る彼の猫背気味の背中に目を向ける。 どうなるのかな。