自分がずっと永い眠りについていて、やっと目を覚ましたような気がした。 胸の奥が温かくなって、また視界がうるんでくる。 嬉しいんだ、わたしは。 「悠っ…ひどいこと言ってごめんね。」 わたしを、きっと悠が変えてくれた。 わたしは多分前より喋るようになった。 前より笑えるようになった。 悠のせいなんて思ってごめんね。 全部、悠のおかげだったんだ。 悠はくしゃっと笑った。 「なあ、もう一度聞いてもいい?」