「はい、オレンジジュース。」


図書館の外のベンチに腰をかけていると、お姉ちゃんが缶を突き出した。


「喉乾いて…、」


「飲まないなんて言わせないから。わたしからのおごりなんだから
ね!」


って、迫力のあるお姉ちゃんに負けて缶を受け取る。


「で、何。いつもふわふわしてて何考えてんのかわかんないあんたが、とうとう勉強しだしたの?」


お姉ちゃんは本当に気味が悪がっているようだ。


「しかも…医学とか。論外。」


わたしは苦笑した。


「あんた文系だったよね?」


「そうだけど…、」


「理系になったの?」


「いや、別にそういうわけじゃ…。」


「じゃあ何?」


お姉ちゃんに興味津々というように覗き込まれて返事に困る。