わたしはそのまま近くのトイレに駆け込んだ。 便器に膝を抱えて座って、一人すすり泣いていた。 どのくらい時間が経ったのだろう。 あたりが静かになって、時計の音がやけに大きく聞こえてわたしはゆっくりと顔をもたげた。 トレイにかかっている時計を見ると午後の五時。 一時間はこのトイレに閉じこもっていたことになる。 とっくに面会時間は終了している。 わたしはがむしゃらに顔を拭いてトイレを出た。 角を曲がって右。 そこが悠の病室。 もう一回だけ…悠の顔が見たい。 笑ってる君が好きだから。