HEROに花束を(完)


503号室。


わたしは涙を抑えて足を止める。



ぼんやりと見えるのは空のベッドが二つ。


花瓶に生けてあるカーネーション。


そして大きな窓から見えるのは桜の木々。



その窓に顔を向けて横たわっているのは…


他でもない、


悠だった。