日焼けした顔の奥にあるつぶらな二つの瞳。

しわが増えて白髪が混じり始めた髪。


それでも、やっぱりそれは父だった。


「なん…で。」


そう声を出しても、掠れたささやきにしかならなかった。


ちらほらと舞う枯葉が父を物悲しく描き出す。


じわじわとこみ上げてくるのはわたしのまだ知らない初めての気持ち。


次あったら絶対に叫んで、叫んで、怒鳴り散らして、どうして置いていったのかを聞いて、殴り倒そうと思ってた。


大っ嫌い、大っ嫌い、ひどいっ!って、父をどん底に突き落とそうと思ってた。


わたしの人生を狂わして、わたしを変えて、最愛の友までも失わせた父を憎み殺したかった。


誰にも言えず、ただ一人で抱え込んでいた長い年月。


忘れかけた時に訪れた災難。


全てが父のせいだった。