悠は些細な出来事に幸せを見つけることができる。

わたしはそんな悠を横にお弁当の続きを頬張る。

今日はばあちゃんが作った目玉焼きと駄菓子屋で売れ残った砂糖菓子。


「またお前のばあちゃんの飯食いてえなあ。」


あの日、悠が家に遊びに来てから、悠は頻繁にわたしに話しかけてくるようになった。

仮にも、今、こうやって休み時間、彼が隣に座っている。

それが、今でも不思議でたまらないんだ。

実感がわかないというか、なんというか、自分が自分じゃないみたいなんだ。


あのクラスの人気者くんと一緒にいるなんて。


あの夜から早二週間。

相変わらずクラスで浮いているのは変わらない。