授業中、ずっと絵を描いていたからすごく気になって、俺は自然と覚えてしまった。


女子たちの輪の中にいてもどこか上の空で、いつも窓の外を見つめていた。



淡いピンクのベールに溶け込んでしまいそうな彼女は、どこか魅力的だった。



まるでどこか違う物語から現れたかのように、今にも泡になって消えてしまいそうな気がして、なぜだか、俺はいつだって気が急いていた。



ーその透き通った瞳には何が見えているのだろうか。




それが、気になって気になって仕方がなかった。


そんな彼女がある日突然消えたから、俺は本当に焦った。



気づけばみんなの輪から外れ、校庭へ飛び出していた。



だけど校庭の丘に一人座っているのを見つけると、なぜかすごい衝動に駆られたんだ。



ー彼女を知りたい。



そんな思いがぽつんと浮かんだ。