二人で屋台を回っては100円玉を減らしてゆく。


「次は金魚すくい!」

「その金魚どうするの?」

「返す!」


るんるんな気分な千秋ちゃんに引っ張られるようにして夏祭りを満喫した。


「足疲れたー!」

そして散々連れまわされた後、千秋ちゃんが靴擦れになってしまったこともあり、二人で屋台の裏のベンチに腰をかけた。


「なんかやっと息吸えるような気がする。」


人混みの中をずっと歩いていたから結構疲れた。


涼しい夏のそよ風が、お好み焼きの熱風と混ざって生温くなっている。


千秋ちゃんは溶けてしまったかき氷をスプーンですくいながら小さくつぶやいた。