そしてもっと嬉しいことに、今日は千秋ちゃんと遊ぶ約束をしている。

一緒に遊園地に行くことに決まっている。


「おっはよー!」


そうウキウキしながらお姉ちゃんに挨拶すれば白い目を向けられる。


「あーうるさいうるさい。」


「おっはよー!」


お母さんに言っても呆れた顔をされるだけで、ばあちゃんに関しては苦笑いというもっと悲しいパターンに。


「朝からうるさいねー。」


お母さんは言いながらお皿を運ぶ。


「ねえ悠ちゃんうちに来ないの?」

ゆ、う…

悠って聞いただけでボンとほおに熱をもつ。



その名前、世界で一番好き。



何度でも悠って言いたい。

何度でも悠の振り返った顔を見たい。

悠が好き--—

たったそれだけのことなのに、全然『それだけのこと』じゃないんだ。

「悠ちゃーん。」

お姉ちゃんは悠を溺愛しているようだ。彼女によるとかわいい弟のようらしい。

「なんかね、夜ご飯はダメなんだって。」

「えーなんで?」

「お母さんが心配しちゃうって言ってた。」

「最初の時夜ご飯だったじゃん。」

「そうなんだよねえ。怒られたんじゃない?」