夜の道を二人で並んで歩く。
菜花畑は今は真っ暗闇に包まれている。
そして異様なほどに眩しい街灯が大きな影を作っている。
一人だったら心細かったかもしれないな。
え、ていうか…。
「家まで送ってくれてるの?」
「それ、今気づくところ?」
あははって悠は笑う。
「だって、そんな…。」
そんな人、今まで一人もいなかったから。
一度、中学生の時、修学旅行先で肝試しをした。
みんなはペアで行ったけど、奇数でわたしだけ余っちゃって、
『綾瀬は大丈夫だよな。』
って、そうやって言われて、一人ぼっちになった。
わたしだって、人並みの女の子のなのに…って、ちょっと悲しかったりもした。


