HEROに花束を(完)


「大丈夫、怖くねーよ。」


いや、今は怖いというより…ドキドキが勝ってるんだけどね。


「う、うん。」


そう言ってそろりそろりと腕を回せば、悠が一瞬びくっとしたのがわかった。


「ごめん!やっぱり、」


「ちげーよ。」


ってぶっきらぼうにいう悠がいて、すぐに泳ぎだした。


「わっ!」


思わずぎゅっと悠にしがみつく。


悠がまた一瞬びくってしたのがわかった。


「ねえ、どうしたの?」


そう聞いても悠は答えてくれない。