「なあ、向こうまで泳がね?」 そう言って悠が指した方には、ぷかぷかと海に浮いている大きな板のような物。 ここのビーチの所有物らしい。 「でもわたし…泳げないし。」 そういえば、悠はもう一度ちらっとわたしの格好を見てから、 「俺に捕まればいーだろ。」 ってそういった。 「えっ?いいの?」 そう聞けば、 「ほら、首にで腕回せば俺が泳ぐから。」 「重いよ?」 「重くねーよ。」 そう言われて、そうか、わたし、もう悠におんぶしてもらったことあったんだって思って一人でにやけた。