HEROに花束を(完)


「なーんちゃってね。うそうそ。冗談でしたー!」


ってカラカラ笑うお姉ちゃんがいて、今度こそ殴りたくなった。


よ、よくも人の感情を弄んで…!!


悠が咳払いをした。


「もし冗談でなくても、俺はここで言うつもりはなかったっす。」


わたしは顔を上げる。


「そんな流れに乗った感じで冗談めかしたら、穂花に失礼です。」


悠の黒い瞳と目があった。


真剣なその眼差しに、わたしの体温は急上昇する。


やばい…かっこよすぎる。


日焼けした顔に力強く灯るその二つの瞳は、まっすぐとわたしを見つめている。


もっと好きになっちゃうじゃんか、ばか。