HEROに花束を(完)


恐る恐る携帯を耳に運ぶ。


「あの…もしもし。」


蚊の鳴くような声で言えば、一瞬の沈黙の後、


『…お、…おう。』


うわあ、気まづいよ。


すごく目を細めてお姉ちゃんを睨めば、まるで関係ありませんっていうように両腕を上げて肩をすくめた。


心臓がばくばくしてる。

悠相手にこんなことになってるわたしは確実におかしい。

初めての気持ち。

初めてのドキドキ。


どうすればいいの?


やっぱり…悠のことが好きだからなの?