高ぶった感情は抑えられない。


思ってもなかったことを叫ぶ。


「泣いてないでっ…っ、教えてよっ…ざまあみろって思ってた…?裏切ってせいぜいしたっ?ずっと相談に乗ってくれたのも、お父さんで泣いてた時も、全部、嘘だったっ…、」


「違うっ!!!」


美菜ちゃんが立ち上がった。


「そんなことないっ!!!」


ぶわっと涙がわたしの瞳から溢れ出る。


それを聞きたかった…違うよって、言って欲しかったからっ…。


「本当はっ、わたしだってすごく辛かったっ!すごく罪悪感感じてたっ!穂花が小さい頃から泣いてきたそのお父さんがわたしのところに来た時、すっごく辛くて辛くてたまらなかったっ!だけどっ…。」


穂花はそこまで言って泣き叫んだ。


「お父さんだからっ!!!

何があっても親友がいても、それでもっ、お母さんが愛するっ、お父さんだからっ!!!

言えないよっ!離れたくないよっ!仕方ないじゃんっ!

大好きなお父さんを手放したくないのはっ、わたしだって一緒だから!!

小さい頃から母子家庭でっ、お父さんが欲しくて!

やっと来たと思ったらそれが親友を捨てた父親でっ!

どうしろっていうのっ???

辛かったんだよ!!!わたしだって逃げ出したいくらい苦しかったっ!!!!」