強引に連れてこられたカフェで生まれるのは重く気まづい、永遠と続くかのように思われる沈黙。


世界一うるさい悠がいても、それでも静けさが訪れるってことは、わたしの雰囲気が相当悪いからだ。


あの子の顔も見たくないっていうのが正直な気持ち。


なんでここにいるの?なんであってるの?っていうのがもう一つの気持ち。


どっちにしろあまり良くないのは確かだ。


悠はそんな空気を破るようにべらべらと喋り出した。


「あーっとねえ、その俺〜、今日はどうしよっかなって思って、じゃあ遊ぼうって思って…。」


結構どうでもいい話をずっと続けている。


おかげで気まずさは半減したが、それでも居心地が悪いのに変わりはない。


身振り手振りを使って大げさに話す悠からも、いつものような明るさはあまり感じられなかった。


自分の爪を見つめるわたしと、黙りこくったあの子の間には、見えない火花が飛んでいる。


いや、きっとわたしからの一方的な火花だろうけど。