「………ありがとう。」


そう言って小さく笑えば、千秋ちゃんがなぜだか泣きそうな顔になる。


「ばかあ、!ばかあばかあ!」


ぎゅっと抱きしめられて、視界がぼやけそうになるのを目尻に力を入れて堪える。


もう十分だよ千秋ちゃん。


こんなにもわたしのことを思ってくれている人がいる。



それだけで、もう、わたしは幸せなんだ。



今までだったら一人ぼっちで全部抱え込んでいたけれど、今ではそんなわたしの殻を破って無条件の暖かさを与えてくれるような人がいる。


千秋ちゃんも悠も、ありがとうでいっぱいだよ。



そのあと謝った三人の本当の気持ちなんてわからないし、知ろうとも思わない。



でも、生きててよかったって、心から思えたよ。