「あ、先輩呼んでる。
んじゃあ、俺行くから。頑張れよ」
「うん…」
「じゃあねー」
中津くんが私達から去って男子バスケの部員の方達へと戻っていく姿をじっと見つめていたら、冬央ちゃんが何気なく「あっ」っと声を出した。
「ど、どうしたの?」
声にびっくりして、冬央ちゃんの方へと振り向く。
「思い出した、あの人!」
「へっ?」
冬央ちゃんが向けている視線に私も向けると、中津くんと話している中津くんより少しだけ背が高くモデルさんや俳優さんかと思わせるぐらいの顔の整った人が目に入った。
2階のギャラリーに立っているので、あまりはっきりと表情はよく見えないけど、あの人だけはなんとなく目立った感じなのは分かる。
「中津くんと話している人?
すごく整った顔立ちだね」
「そうそう、その人!」
「知り合いだったんだ」
私は今初めて知ったけど。
「知り合いっていうか、男子バスケ部の先輩でエースなの」
「へー」
「話した事ないから忘れてた」
「ふーん」
「先輩、すっごくかっこいいんだよ」
「みたいね」
私はなんとなく興味のなさそうな表情で聞いていた。
「もしかして、気になるの? あの人」
「えっあ…いや」
明らかに動揺する冬央ちゃん。
意識しているのがバレバレだ。
でも、きっとあの人も、あういう人に限って綺麗なくるなちゃんみたいな人が好きなのだろうな。
最初からそうだから。
それから相手校がやってきた。
「ことは、大丈夫?」
「えっあ…ん」
試合を観にきた先輩達は私の姿にまた嫌味のような言い方で陰口を叩いていた。
その事にまた精神が病んでいく。
どんなに言われ慣れていても、何度も何度も同じ事を言われても慣れる事なんてできない。
どんどん精神が病んでいく。
そのせいで発作が出てしまう。
ただでさえ、今の私の状態は普通じゃないのに。
知る気もない癖に勝手な事ばかり叩くんだから。
別に私はくるなちゃんが羨ましいから劣等感を抱いている訳じゃないのに。
「あの子、バスケなんてできるの?」
「えーすごい助っ人用意したって聞いたのになんであんなのが助っ人なんだよ。出来もしないくせに」
嫌味のような陰口がはっきりと聞こえてくる。
その言葉に冬央ちゃんは下唇を噛んで不満気な表情をしていた。
「何も知らない癖に好き勝手言って…」
小さな声でぼそっと陰口を叩く人達に愚痴をつぶやいていた。
そんな冬央ちゃんに私は諭すかのように諦めた言葉を向けた。
「しょうがないよ…。私の事なんて興味ないんだから。みんなくるなちゃんしか目にいかないんだから」
そんなの最初から分かってた。
どんなに成果を見せても誰も認めようとしないし、興味を持たない。
私は何も悪い事をしてないのに、くるなちゃんの妹というだけで劣等感という印象を持たれる。
勝手なイメージを持たれて、勝手に罵られる。
昔の私だったら否定していたのかもしれない。
でも、今の私は何かを反発する程強くない。
強くなりたいのに、強くなれない。
んじゃあ、俺行くから。頑張れよ」
「うん…」
「じゃあねー」
中津くんが私達から去って男子バスケの部員の方達へと戻っていく姿をじっと見つめていたら、冬央ちゃんが何気なく「あっ」っと声を出した。
「ど、どうしたの?」
声にびっくりして、冬央ちゃんの方へと振り向く。
「思い出した、あの人!」
「へっ?」
冬央ちゃんが向けている視線に私も向けると、中津くんと話している中津くんより少しだけ背が高くモデルさんや俳優さんかと思わせるぐらいの顔の整った人が目に入った。
2階のギャラリーに立っているので、あまりはっきりと表情はよく見えないけど、あの人だけはなんとなく目立った感じなのは分かる。
「中津くんと話している人?
すごく整った顔立ちだね」
「そうそう、その人!」
「知り合いだったんだ」
私は今初めて知ったけど。
「知り合いっていうか、男子バスケ部の先輩でエースなの」
「へー」
「話した事ないから忘れてた」
「ふーん」
「先輩、すっごくかっこいいんだよ」
「みたいね」
私はなんとなく興味のなさそうな表情で聞いていた。
「もしかして、気になるの? あの人」
「えっあ…いや」
明らかに動揺する冬央ちゃん。
意識しているのがバレバレだ。
でも、きっとあの人も、あういう人に限って綺麗なくるなちゃんみたいな人が好きなのだろうな。
最初からそうだから。
それから相手校がやってきた。
「ことは、大丈夫?」
「えっあ…ん」
試合を観にきた先輩達は私の姿にまた嫌味のような言い方で陰口を叩いていた。
その事にまた精神が病んでいく。
どんなに言われ慣れていても、何度も何度も同じ事を言われても慣れる事なんてできない。
どんどん精神が病んでいく。
そのせいで発作が出てしまう。
ただでさえ、今の私の状態は普通じゃないのに。
知る気もない癖に勝手な事ばかり叩くんだから。
別に私はくるなちゃんが羨ましいから劣等感を抱いている訳じゃないのに。
「あの子、バスケなんてできるの?」
「えーすごい助っ人用意したって聞いたのになんであんなのが助っ人なんだよ。出来もしないくせに」
嫌味のような陰口がはっきりと聞こえてくる。
その言葉に冬央ちゃんは下唇を噛んで不満気な表情をしていた。
「何も知らない癖に好き勝手言って…」
小さな声でぼそっと陰口を叩く人達に愚痴をつぶやいていた。
そんな冬央ちゃんに私は諭すかのように諦めた言葉を向けた。
「しょうがないよ…。私の事なんて興味ないんだから。みんなくるなちゃんしか目にいかないんだから」
そんなの最初から分かってた。
どんなに成果を見せても誰も認めようとしないし、興味を持たない。
私は何も悪い事をしてないのに、くるなちゃんの妹というだけで劣等感という印象を持たれる。
勝手なイメージを持たれて、勝手に罵られる。
昔の私だったら否定していたのかもしれない。
でも、今の私は何かを反発する程強くない。
強くなりたいのに、強くなれない。


