うちの学校は体育館が2つあって、女子と男子用として分ける為である。



うちはクラス数が少し多いので、また体育は男女異なった時間で行う決まりがある。



その為、よくクラスや学年によっては被る場合がある。



校庭は1つしかないので仕方ないとして、体育館だけは分けようという仕組みらしい。



その為、体育館を使う運動系の部活での男女も別々なので交流というのがあまりない。



傍からすれば部活は男子校女子校みたいなものだ。



顧問も男子女子として分かれている。



「ねえー男バスとあまり交流ないの?」



「えっ」



私は運動部ではないのでよく分からない。



まあ、私の料理部は女子しかいないが。




「うん〜? まあ、そうだね。外でやる運動部は知らないけど、体育館でやってる運動部はそうかな」



「じゃあ、あんまり知らないんだ」



「まあ、そうね」



「そっか」



着替えを終わらせ、冬央ちゃんと女子専用の体育館へと向かった。



「………はっ」



やっぱり体を動かすのは楽しい。



ずっと動かせればどんなにいいんだろう。



(まあ、無理だろうけど)



「やっぱりことはってバスケ上手いよねー」



「あ、ありがとう。楽しいね、やっぱり」



「そうだね」



バスケ部の練習に参加させて貰っているけど、どちらかというと、練習の参加というより自主練習をさせて貰っているものだ。



「ごめんね、助っ人に来てもらって」



「いえ、大丈夫です」



来宮先生は申し訳なさそうに軽く謝る。



「あ、そうだ。あとでミニ試合するから参加してね」



「あ、はい」



《ピー》



部活の最後あたりでミニ試合が行われた。



「やったーことはと同じチームだ」



「うん」



「月野さんってなんでいつも助っ人しか来ないの?」



「そうですよね〜」



同じチームになった2年の先輩から不思議そうに声を掛けてくるけど、曖昧な応えでしか答えれなかった。



そりゃあ私も入れるのなら入りたかったけど、練習が厳しいのは私の体には負担が大きすぎるから。



そして、来宮先生の笛の合図でミニ試合が始まった。



合図と同時にまるで体が勝手に動くかのように足が動いて、宙から地面に落ちるバスケボールに向かったのだった。



時間が止まったかのように、無我夢中でボールを追いかけて、ボールをゴールへと向けていった。



楽しい。



嬉しい。



もっとこんな時間が続けばいいのになって思ってしまう。



そして、ピーと終了の合図が鳴り、5分程度のミニ試合は終わりを告げた。



「やったー勝った♪」



「さっすがーことは!」



「相変わらず、ことはちゃん。美味すぎ」



「えへへ」



(やっぱり、バスケはみんなでする方が楽しいな)



「疲れてない?」



「うん、大丈夫」



今回のはそこまで疲れる運動量じゃなかったので、むしろ心地よかった。



「そっか、よかった♪」