その後、夕食時の最中におじいちゃんはどこか時計を気にしそわそわする素振りを見せていた。


「?」


「そういや、あの子まだかしらね」


「んー」


(あの子?)


叔母さんはおじいちゃんに何気なく言った。


気になった私は叔母さんに尋ねてみた。


「誰か来るの、憐ちゃん?」


憐ちゃんとは、叔母さんの事で名前が憐菓〈れんか〉だから憐ちゃんと呼んでと言われている。


というのもおばさんと呼ばれるのが単に嫌だけなんだそうだ。


「そうなのよ。おじいちゃんのお知り合いのお孫さんなんだって。少し事情があって今日からここで住むことになってて…」


「でも、遅いんだよな」


「どこか寄ってるのかもしんない」


「まあ、今日中に来てくれるといいと連絡しておいたし、本人も少し遅くなりますと言っていたしな」


(ふーん、どんな子なんだろう)


その時、私が想像していたのは、私より年上のお兄ちゃんとお姉ちゃんぐらいの歳の人なのだろうと思っていた。