それから、宇月さんと一緒にお店がある町へ電車で向かった。
「わーお店がいっぱい」
「ここならちょっとだけおしゃれな物もあるのよ。
あと、1軒だけど百均があるよ」
「そっかあ、じゃあ便利だね。
工具店とか手芸店はどこにある?」
「えっと、向こうのあたりにあるよ。
何か必要な物でもあるの?」
「うん、補充しておかないといけないから」
「?」
宇月さんはなんの事かよくわからないのか、キョトンとする。
ことはちゃんから俺の趣味の事は聞いていないのだろうか。
(まあ、別にいいけど)
東京みたく可愛くて良いものというのは期待しない方が無難だろうとか、考えていると宇月さんが気にする面持ちで尋ねてくる。
「ねえ、萩原くん」
「ん?」
「あのさ、さっき柊さんが言っていた事、大塚くんに知られたくないから、わざわざ逃げるように私に声を掛けて連れ出したんだよね?」
「………」
宇月さんの問いにふとクスッと笑う。
「萩原くん?」
「なんだ、気付いてたんだ。
そう言えば、君はことはちゃんから聞いてたんだね」
ことはちゃんは宇月さんに話した事を「話してごめんなさい」って申し訳なさそうに言っていた。
ことはちゃんの親友で信頼されている友達だから、別に宇月さんには話しても大丈夫そうだから気にはしてないけど。
ことはちゃんは基本的に気にし過ぎな気もするけど。
「やっぱり、私が知った事って良くなかったんじゃあ」
「別に」
ことはちゃんと同じように宇月さんも気にしいのようだ。
「良かったの?」
「どっちでもいいよ。知ろうが知らないようが」
「でも、大塚くんには」
「面倒臭いんだよ。
いちいち話して同情の目を向けられるのが」
零宮の事だから同情の目を向けるのに違いないから、だったら言わない方が楽だ。
「そうなのかな。友達なら話した方がいいと思うけど」
「いくら昔馴染みの友達でも、話せるものと話せないものがある。全て話していい方向に進むとは限らないんだから」
「そうかな? ことはは必要のない事でも何でも話してくれるよ? うざいほどに」
「それは、君の事を信頼しているからでしょ?
俺は友達の事を全てを信頼してないからね」
「………」
ことはちゃんと同じように唖然と困惑の表情をしている。
「変でしょ? 俺。自分でも思うもん。でも、しょうがないから、これが俺だから。今更性格なんか変わんないでしょ? それは、宇月さんもよーく分かってるんじゃない?」
「それは…」
俺の言葉に宇月さんは少し眉を歪め苦い表情をする。
「確かにことはは何年も変わらないから」
「でしょ」
「でもさ、萩原くんはそれでいいの? 人に興味もたないまま生き続けて辛くないの?」
「…別に」
宇月さんの言った言葉に正直理解が出来ず、いつものように興味ない表情で答える。
「辛いとか悲しいとかないんだよね。そんな感情あったら、最初から何もかも諦めてないんだよ。欠落した人間にもなってないんだよ」
「そっかあ、ごめんね。図々しいかったよね」
宇月さんは謙虚そうに申し訳そうに謝る。
「別にことはちゃん程 図々しいくないから」
「………」
ことはちゃんの悪口に聞こえたのか、キョトンと目をポカンとさせていた。
「なにそれ? そんな事言ったらことは怒るよ?」
そう言いながらも彼女は面白そうにクスクスと笑う。
「萩原くんって変な人だよね」
「よく言われるよ」
「何それ? 褒めてないんだけど」
そう言ってまた宇月さんはクスクスと笑ったのだった。
「わーお店がいっぱい」
「ここならちょっとだけおしゃれな物もあるのよ。
あと、1軒だけど百均があるよ」
「そっかあ、じゃあ便利だね。
工具店とか手芸店はどこにある?」
「えっと、向こうのあたりにあるよ。
何か必要な物でもあるの?」
「うん、補充しておかないといけないから」
「?」
宇月さんはなんの事かよくわからないのか、キョトンとする。
ことはちゃんから俺の趣味の事は聞いていないのだろうか。
(まあ、別にいいけど)
東京みたく可愛くて良いものというのは期待しない方が無難だろうとか、考えていると宇月さんが気にする面持ちで尋ねてくる。
「ねえ、萩原くん」
「ん?」
「あのさ、さっき柊さんが言っていた事、大塚くんに知られたくないから、わざわざ逃げるように私に声を掛けて連れ出したんだよね?」
「………」
宇月さんの問いにふとクスッと笑う。
「萩原くん?」
「なんだ、気付いてたんだ。
そう言えば、君はことはちゃんから聞いてたんだね」
ことはちゃんは宇月さんに話した事を「話してごめんなさい」って申し訳なさそうに言っていた。
ことはちゃんの親友で信頼されている友達だから、別に宇月さんには話しても大丈夫そうだから気にはしてないけど。
ことはちゃんは基本的に気にし過ぎな気もするけど。
「やっぱり、私が知った事って良くなかったんじゃあ」
「別に」
ことはちゃんと同じように宇月さんも気にしいのようだ。
「良かったの?」
「どっちでもいいよ。知ろうが知らないようが」
「でも、大塚くんには」
「面倒臭いんだよ。
いちいち話して同情の目を向けられるのが」
零宮の事だから同情の目を向けるのに違いないから、だったら言わない方が楽だ。
「そうなのかな。友達なら話した方がいいと思うけど」
「いくら昔馴染みの友達でも、話せるものと話せないものがある。全て話していい方向に進むとは限らないんだから」
「そうかな? ことはは必要のない事でも何でも話してくれるよ? うざいほどに」
「それは、君の事を信頼しているからでしょ?
俺は友達の事を全てを信頼してないからね」
「………」
ことはちゃんと同じように唖然と困惑の表情をしている。
「変でしょ? 俺。自分でも思うもん。でも、しょうがないから、これが俺だから。今更性格なんか変わんないでしょ? それは、宇月さんもよーく分かってるんじゃない?」
「それは…」
俺の言葉に宇月さんは少し眉を歪め苦い表情をする。
「確かにことはは何年も変わらないから」
「でしょ」
「でもさ、萩原くんはそれでいいの? 人に興味もたないまま生き続けて辛くないの?」
「…別に」
宇月さんの言った言葉に正直理解が出来ず、いつものように興味ない表情で答える。
「辛いとか悲しいとかないんだよね。そんな感情あったら、最初から何もかも諦めてないんだよ。欠落した人間にもなってないんだよ」
「そっかあ、ごめんね。図々しいかったよね」
宇月さんは謙虚そうに申し訳そうに謝る。
「別にことはちゃん程 図々しいくないから」
「………」
ことはちゃんの悪口に聞こえたのか、キョトンと目をポカンとさせていた。
「なにそれ? そんな事言ったらことは怒るよ?」
そう言いながらも彼女は面白そうにクスクスと笑う。
「萩原くんって変な人だよね」
「よく言われるよ」
「何それ? 褒めてないんだけど」
そう言ってまた宇月さんはクスクスと笑ったのだった。


