君と僕の遥かな想い

「やっぱり君は変な子だね」


「えっ」


そう言っていつものかわいい笑顔でクスっと笑う。


「……」


ようやく、また私に笑顔を見せてくれたとそう思った。


「君は本当に真っ直ぐだけど、どこかあやふやで不器用なんだね。そんなんだから知りたいと思っちゃったのかな」


「!」


ふいに矢吹くんは私の頬に手を添えて些細な声を呟いた。


「ねえ、教えてほしいな。君の事…」


「えっ」


「仲良くなるのってまずお互いから知るとか、そういう事なんでしょ?」


「う、うん」


確かに「仲良くなりたい」と言ったのは自分からだけど、でもでも、なんていうかその鼓動が妙に速く打っている気がして少しいたたまれない。


(なにこれ…)


「えっえっと…何が知りたい? 私、一対一で男の子と仲良くした事がないから勝手が分からなくて…えっと」


戸惑いしどろもどろになっていると、また矢吹くんはクスっと笑顔を向けてくれる。



「じゃあ、目を瞑ってくれる?」


「えっ…う、うん」


言われた通りに目を瞑ると、微かな甘い香りが鼻についた。


(甘い香り…)


そう言えば、この前抱きつかれた時に気付いたけど、矢吹くんからふんわりとした甘い香りがした。


その香りはフルーツのようなフローラルのような、鼻が痛くなるような香りではなく、優しい香りだった。


「…!?」


甘い香りに気を取られた次の瞬間、ふんわりとした香りと同じように、唇にふんわりと触れたのだった。


「……えっ」


ぱちくりと目を開けると、矢吹くんは既に私から離れていて、その変わりに矢吹くんの天使のような笑顔が花咲かさていた。


「なっなぜ!?」


「ん?」


矢吹くんは私の疑問の訴えにキョトンと傾げていた。