君と僕の遥かな想い

「………」



なんか不思議な感じ。


風景とか街並みは全然違うのに、一緒に歩いている人は同じだなんて。


田舎で出会った人が都会でも会って歩いているのって不思議。



「ねえ、ことはちゃん」


「!」



前方に歩いていた矢吹くんがふいに呼びかけた。



「なあに?」



と、同時に顔を私に振り向き。



「大丈夫?」


「えっ」


「今日は普通な感じだったけど、昨日のことはちゃんはすごく元気じゃない感じに見えた。昨日君に酷い事言っていた人と関係あるの?」


「…それは」


「言いたくない事かな、やっぱ」


「………」



言いたくない訳じゃない。


向こうとここだと別人かのように人が違うから。


けど、昨日の事見られてるから今更意味ない気もするけど。



結局、何も答える事なく無言のまま、気がつくと家についていた。



「じゃあね、ことはちゃん」


「あ、明日帰るんだよね」


「うん」


「…そっか。そうだよね」



何も伝えれないまま、矢吹くんは後ろを振り向く。



「………」



このまま帰ると今度会えるのはいつだろう?


冬休み?


それまで会えないのだろうか。



「……っ」


(嫌だな…そんなの)



せっかくまた会えたのに、何も言えないまま会えなくなるのは。


明日はきっと会うことなく矢吹くんは帰ってしまう気がする。



雫鈴先輩の家へと向かう後ろ姿に私は⸺。



「やっ矢吹くん!」


「!」


「あ、あのねっ私…比較されてるの! くるなちゃんと…だから嫌われてるの…ずっと」


「………」


「そう…なんだ」


「……うん」



不安気に矢吹くんを見つめる。


やっぱり言うべきじゃなかったっと思ってしまう感情が出た。



(ああ…幻滅されるのかな)



でも、矢吹くんはそういう人じゃない気もする。


というかこんな事伝えても矢吹くんは……。