君と僕の遥かな想い

翌日、おばあちゃん家というので気を緩んだのか少し遅めに起きてしまった。


朝食を食べ終え、ふと周りを見渡す。


「ねえ、おばあちゃん」


「んー?」


「あの子は部屋にいるの?」


「矢吹くん? そうじゃない?
荷物整理とかあるだろうし」


「そっか」


荷物は前日までにきていたとして、本人は夜に来たのだから、昨日は何もしていない状態だろう。


(うーん)


「手伝ってあげたほうがいいのかな?」


「あら、いいんじゃない?
矢吹くんも喜んでくれるわ」


「そうだよね」


そうと決まれば萩原くんの部屋へと向かう事にした。



「………」


昨日、お礼にもらったクローバーのキーホルダーをなぜ持っていたか気になっていたから聞いてみよう。


私はクローバーのキーホルダーを手に萩原くんの部屋へと向かった。


萩原くんの部屋は私の部屋より少し離れていて、2階の右端の部屋である。


この部屋は元々空き部屋で、数年前に2階のある数個の部屋だけリフォームをしたらしい。


おそらくお兄ちゃんやお姉ちゃんの部屋、それに空き部屋もしていたのだろう。


なので、用意してもらった萩原くんの部屋も、畳からフローリングとなっている。


私の部屋もあるのだが、数回しか来ないのでリフォームはされておらず、畳のままのようだ。



「萩原くん?」


こんこんと軽く叩き返事を待つ。


「?」


聞こえてないのかなっと思い、もう一度叩く。


「あれ?」


何度叩いても萩原くんからの返事は帰ってこなかった。


(寝ているのかな?)


部屋からは一切聞こえてこないので、もしかして寝ているのかもしれない。


そう思い、確認の為にそっと扉を開ける。


「萩原くん?」


(あ、なんだ寝ていなかった)


ダンボールの山から、萩原くんの頭が見えていて、寝ていないのだと確認できた。


(だとしたら、一体なにをしているんだろう?)


起きている感覚はあるが、動きが感じられず、扉を開ける時と同じように、そっと彼に近付いた。