「俺と別れたいんだろ?」


「えっと……」



窓ガラスを打ち付ける雨の音がやけに大きく聞こえる。



普段、帰宅する人たちで溢れかえる下駄箱もピークが過ぎたから今は誰もいない。



こんな広い学校なのに私たち2人だけとは変な感じがする。


もう誰も残ってないのかな。


そう思っていたところに。



トン、トン、と。


階段を降りてくる足音が聞こえたような気もした。



「おい」



その一言だけでもうイラつきがわかる。



階段のほうをチラッと見ただけなのに、それが気に入らなかったのか腕を強く握られて視線の先を変えさせられる。



「大事な話してるときぐらいちゃんと集中したらどうなんだよ」



「ごめん……」