そうすると
「陽葵ちゃーん!」
って言って抱き着いてきた。
可愛いよね、明里ちゃん。
男の子が守ってくれるようなふわふわした可愛い子。
まあ、さっきのは危なかったけど。
私なんかガサツだもんな。
お世辞でしか可愛いといわれたことがない。
「友情だねぇ。いいねぇ。あ、悠斗、俺たちもする?」
「気持ち悪いこと言うな。絶交だ絶交」
「うわっ!ひどい!」
やっぱり春輝さんはぶれないんだね。
一番最初は本気で引いたけど悪い人じゃなさそうだし、面白いし、なんだかんだ言って悠斗くんも明里ちゃんも好きそうだし。
愛されてるよね。
私って施設で育ったから愛とかに関してはほんとに敏感で⋯⋯。
自分のことはよくわからないんだけど、ほかの人が愛されてるかは大体わかる。
うらやましいな⋯⋯。
「ごめんね⋯⋯。陽葵ちゃん⋯⋯」
「ううん!全然大丈夫!むしろこれからどんどん頼ってね!」
「うん!ありがとう!陽葵ちゃんもね!」
「うん!」
「ああ。友情だねぇ。悠斗俺らも⋯⋯「これ以上言うな」⋯⋯はい」
懲りないね。春輝さん。