「何驚いてるんだ」
目を見開いて固まっている私に気づいたのか声をかけてきた。
「え、無視しなかったから⋯⋯」
いつもならするのに⋯⋯。
「別にこいつは何もしてこないしな」
ああ、そういうこと。
納得。とは言っても不安は残っちゃうけど。
「あの、三条先輩の彼女さんですか??」
わあ!香織ちゃんから話しかけてもらえるなんて!
「え、うん、そうだよ!皆川陽葵です」
「え⋯⋯?」
んん?
なんか香織ちゃん固まってるんだけど⋯⋯。
「か、香織ちゃん、大丈夫??」
「す、すいません!失礼します!行くよ、梨沙子」
そういって行ってしまった。
「どうしたのかなぁ。陽葵の名前聞いたとたん固まったけど」
不思議そうに頭を傾げる明里。
「うん。最後やっぱりおかしかったよね⋯⋯」
「まあ、どうにでもなるだろ」
さ、さすが悠斗くん。
他人には無関心だよね。
「じゃあ、帰る」
「あ、うん!ばいばい!」
悠斗くん行っちゃった⋯⋯。
「はい!陽葵も次の時間の準備するよ!」
「はーい」