「もう出てきていいぞ」
急に脈絡のないことを言われて不思議に思う。
その時、
「陽葵ちゃーん!」
明里ちゃんが角から走ってきた。
もしかして。
「また、悠斗くんに知らせに行ってくれたの⋯⋯?」
「当たり前でしょ!大事な友達だよ?」
明里ちゃん⋯⋯。
本当に私、迷惑かけてばっかりだ。
してもらってばっかり。
「してもらってばっかりとか思ってるでしょ?」
「え!?な、なんで」
わかるの!?
「顔でわかる。でも、全然そんなことないよ?私、陽葵ちゃんから色んなもの貰ったもん」
そう、なの?
「いいねえ、女子の友情!」

