「やっぱりお前か。もしかして陽葵の教科書とか上靴とかもか?」
そう問われるとバツの悪そうに顔を逸らした。
そう⋯⋯なんだ。
中岡さんだったんだ。
「今後陽葵になにかしてみろ。俺がこの手で倒してやる。その事をみんなに広めろ。じゃないと、今日のこと言うから」
「す、すいませんでしたっ!!」
中岡さんは泣きながら走っていった。
「陽葵」
突然言われるとビクッとする体。
なんで、こんなにビクビクしちゃうんだろう。悠斗くんは助けてくれたのに。
「ごめん。怖がらせたか?」
「ううん。⋯⋯助けに来てくれてありがとう」
「これからは助けに行くって言っただろ」
本当だったんだね。
「⋯⋯」
もう。
なんでそんなに優しいの。
私なんてそんなに優しくされる価値ないのに⋯⋯。

