「悠斗くん。教科書⋯⋯ある?」
やっぱり人から貸してもらう時って緊張するよね。
というか、私ふしだらな人間とか思われてないよね??
教科書借りるってことは失くしたってわけだし⋯⋯。
管理がちゃんとできてない!!とか⋯⋯。
あああ。どうしよう。そう思われてたら。
てかそう思われてるよね⋯⋯。
でも、実際管理が出来てなかったから教科書無くなっちゃったし。
そういうのって好きな人に頼むんじゃなかった⋯⋯。
今になって後悔⋯⋯。でも、ないといけないし。
「はいこれ」
「ありがとう!⋯⋯あとね、私バイトすることに決めたの」
「バイト?しなくていいと思うけど」
「いや~、欲しいものが沢山あってね?」
「親父とかから貰えるだろ」
「でも、特に私なんかは自立しなきゃだから」
一人で生きていけるように。

